今思い起こせば赤面します。小学校時代の出来事。

私は自分で言うのもなんですが、本がすごく好きな子どもでした。
たしか小学校5年か6年の頃だったと思うのですが、あるとき、たまたま読んだ物語の中の、
「貧しい家計をささえるべく、懸命にあれこれ売ってがんばる、けなげな子ども」にすっかり感激してしまいました。

「私も何か売りたい!」
「お金をもうけて両親を喜ばせたい!」

この考えにとりつかれてしまいました。

しかし、現実的には子どもの私に売ることのできるものなど、あるはずもなく。

そこで、必死に幼稚なあたまで考え、
「ちり紙を10枚くるくる丸めて20円で売る」ことにしました。
考えてみれば暴利もいいとこです。
誰が買うか、んなもん、という感じなんですが、私はとてもチビだったうえ(小学校卒業時に身長136センチくらいでした)、更に小さい妹の手をひいて、一軒一軒、「ちり紙を買っていただけませんか」とやると、必ず買ってもらえました。
のみならず、「まあ、なんてかわいそうな・・・」と同情され(その同情の意味がわかりませんでした)、2,3日の間に、たくさんの10円玉をゲットすることができました。

ほどなく、両親の耳に入り、両親は怒る以前に驚愕のあまり、言葉を失っておりました。
「あんたたち、ちり紙売って歩いてるってほんと?」と聞いたときの、母のワナワナした声と顔は、今もはっきり覚えています。

妙に物語の主人公になりきってしまう癖のあった私ですが、これを現実に移行させたのは、これが最初で最後の体験でした。

今思い出すと、ううううう、と真っ赤になってしまいますが、どこかで、なつかしいなあ、と思い出したりもする出来事です。

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