鴨居玲という画家。

私は絵を見ることがとても好きですが、もっとも好きな画家は鴨居玲です。
きっかけはNHKの「日曜美術館」。
この中で、初めて鴨居玲の絵を見、そして釘づけになり、涙があふれました。
それは「私」という絵でした。

20年ほど前、東京に住んでいて、鴨居玲の絵がみたくて、手当たり次第に美術館に行ってみたりしていました。あの頃はまだインターネットが普及していず、「検索」することができなかったので、本当にあてずっぽうでした。
近代美術館にも行ってみましたが、見ることはできませんでした。

数年前、長崎県美術館で鴨居玲展があり、飛び立つように行きました。
感激でした。
そして、いま、北九州市立美術館で鴨居玲展があっています。

この絵は、北九州市立美術館分館・鴨居玲「没後25年 終わらない旅」のポスターに使われている「勲章」という絵です。

彼の絵の、ほとんどすべてが好きですが、
なかでも「石の花」という絵は、私が見た様々な絵の中で、最も美しい愛の絵だと思っています。
「石の花」は戦後まもなく旧ソビエト連邦で製作されたカラーの長編映画ですが、この映画を見たとき、鴨居玲は
「愛し合う2人が、抱擁したまま石と化していくのだが、永遠の愛の存在を証明するかのように、石となっても心臓の鼓動は力強く鳴り続けるのである。ずうっと戦争教育を受け、愛についてなど考えることも許されることも許されなかった田舎の画学生だった私のショックは大きかった」
と感慨を込めて語っていたそうです。
(没後20年「私の話を聞いてくれ」カタログより引用)

今回、「石の花」が来ているかどうかわかりませんが、期間中、なんとしてでも行きたいと思っています。

暗い、深い、色使いのなかにある、人間のさまざまな思惑や生きざま。
鴨居玲のどの絵の人物からも、呼び止められ、語りかけられるような思いがします。

鴨居玲
没後25年
終わらない旅
2010年9月11日~10月24日
北九州市立美術館分館(リバーウォーク北九州5F)

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