美術館とは・・・。

ここ数年、夏休みなんかになると、「子ども向けのイベント」を美術館や博物館などで行うようになってきましたね。
とてもいいことだなー、と思います。
大人が行ってもじゅうぶん楽しめる企画が多いですよね。
福岡県立美術館の企画など、決して派手ではありませんが、落ち着いて楽しめます。
数年前の「坂本善三展」。母と行ってみたら子どもたちを対象にした工夫が凝らされていましたが、その工夫に大の大人の私と母もちゃっかり乗っかって、とてもステキな時間が過ごせました。

これがきっかけとなって、是非、実際に小国にある坂本善三美術館に行きたいものだと思い、数ヵ月後に訪れ、しみじみ「いいなあ・・・」と思いました。その後3回くらい訪れています。
ご存知ない方もおられるかも知れませんが、この美術館、靴を脱いで入る美術館です。畳敷きです。
私は美術館大好きで、あちらこちら行きますが、ここは本当にいい美術館です。
かねてから私は「小規模美術館、中規模美術館こそ望ましい美術館」だと思っていますが、ここは本当にステキな小規模美術館です。
夏休みの子ども向け企画から、知らなかった美術館との、とてもいい出会いがあった、というわけです。

さて、昨日は、娘たちを連れて、福岡市内にある別の美術館に行ってきました。
ここも子どもたち向けの企画が行われていました。
その企画の中でムーミン展があっていると知り、長女は昔からムーミンシリーズが好きなため、他の娘たちと一緒に行こうという話になりました。(私も子ども時代、ムーミンシリーズの本は何度も繰りかえし読みました。あの中に出てくる、嵐のあと海岸に打ち上げられる「雪が舞い降りてくるガラスのボール」に憧れ、いったいどんなものなんだろうかと思ったものです。)

しかし、どうも期待外れでした・・・。

館内に幼い子どもたちがあふれ、子どもたちがあっちこっち走り回っている、というのはともかくとして、企画そのものが「これは本当に美術館の企画だろうか??」という感じに思えました。

妖精になろう!と、妖精のコスプレをしてお姉さんとダンス?をする、というのも、積み木がたくさんあって好きに遊べる、というのも、なんだかデパートのおもちゃ売り場で見る光景のようで、「うーん」と考えてしまいました。

子どもたちは楽しそうで、お父さんお母さんたちもニコニコしてて、それは見ていて嫌な光景であるはずもなく、「美術館の中で親子で楽しいひとときを過ごす」ということが狙いなら、その狙いは当たったといえると思います。

けれど、やはり、これは本当に美術館がするべき企画だったのか、疑問が残ってしまいました。

確かに美術館に幼い頃から馴染むことは大切だと思います。
だけど、それは「美術館の中を走り回ったり、おしゃべりしまくったりして馴染む」のとは、少し違うように思えます。かといって美術館を「敷居が高い場所」と思って子どもたちが成長していくのは避けたいでしょう。

難しい問題ですね。
どうなんでしょうか。

この企画をたてられた方のビジョンがお聞きしたいなあ、と思いました。

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